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お香のお話

仏様(観音様)(瑞鳳天祥様)
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読者投稿:瑞鳳天祥様

皆様、日々御精進の事と存じます。

先ず初めに皆様は、香から何を連想されますか?

高級旅館、茶室、香道でしょうか恐らく一番多い回答は、佛事に関する事では、無いでしょうか?

確かに佛事では、香は、欠かせない物ですし経巻にも寶の一つとして説かれて居ります。

元より香木の原産は、印度等の亜熱帯地方が原産で佛教と共にお茶や香木等が伝来して居ります。

さて話は、戻りますが古来より香は、様々な意味を持って居まして実用的にも現代社会に浸透して居ります。

香を焚く意味は、気高くも淡い薫りから空間等を清浄にし邪気や鬼神、病魔、禍を退け幸いを招くとされて居ますし

実用的には、香を衣服へ移しその残り香を漂わせる事に依るお洒落や文に薫りを移して香りと想いを贈ったり又、精神の沈静作用も御座います。

平安貴族は、当時、沐浴の習慣が無かったので体臭を消す意味も有ったのですが又、その二つの意味を兼ね備えた最たる例が最近見られ無く成った薬玉(くすだま)で御座います。

これは、球の中に香や様々な薬草を入れ吊す事で実用的には、防虫効果が御座いますし病気の平癒や邪気払い等の願いが込められて居りました。

さて、此の香に付いてで御座いますが香には、十の徳が有ると言われて居りまして出典は、北宋の詩人の黄庭堅が香に関する訓や効用を記したもので御座います。

日本へは一休禅師が紹介して居りまして香りは量ではなく、質が重要と申して居りまして僧侶の立場と致しましても檀家様に仏前に御供致します香に関して同様の見解でお話致しますし香の香りは、雲の如く緩やかに編まねく拡がる事から佛様の慈悲に喩えられます。

さて、其の香の十徳で御座いますが以下の通りで御座います。

【清浄心身】 心身を清浄にす – 心身を清く浄化す
【能除汚穢】 よく汚穢(おわい)を除く – 穢(けが)れを取り除く
【能覚睡眠】 よく睡眠を覚ます – 眠気を覚ます
【静中成友】 静中に友と成る – 孤独感を拭う
【塵裏偸閑】 塵裏に閑(ひま)をぬすむ – 忙しい時も心和ませる
【多而不厭】 多くして厭(いと)わず – 多くあっても邪魔に成らない
【寡而為足】 少なくて足れりと為す – 少なくても十分芳香を放つ
【久蔵不朽】 久しく蔵(たくわ)えて朽ちず – 長い間保存しても朽ちない
【常用無障】 常に用いて障(さわり)無し – 常用しても無害

以上が香の十徳で御座います。

因みに線香に関しては、別の用途も御座いまして時間を計る時計の役割も御座いました。

其れは、線香を一本焚いて其の燃え尽きる迄の時間の値を【一炷(いっちゅう、いっしゅ)】と申しまして約40分程を目安に致します。

下世話なお話ですが吉原の花魁も客の御相手をするのに先の手法を用いて【一炷、幾らで】御相手したそうで御座います。

お話を戻しますが線香にも様々な長さが御座いまして寺院では、用途や法要の時間で線香の長さを変えて使用致します。

線香の太さや質で燃焼時間に差異は、御座いますがおおよその区別と時間の目安を申しますと

ミニ寸→約15分から20分程度
短寸香→一般的な長さで約40分から45分程度
長寸香→此の辺りから寺院用と成りますが時間1時間程度
大薫香、小天香→約2時間
中天香、中官香→3時間から3時間半
大天香→6時間から8時間と成ります。

尚、特殊な線香として枕経から四十九日迄焚かれる渦巻き香は、最長の12時間と成って居ります。

此の渦巻き香は、最近出来たもので安全且つ香を絶やさずご遺族様の負担を減らす為に開発されたもので四十九日迄、香を絶やさないのは、其の香の香りが物故者の御霊を浄め煙りが道標と成ると謂う伝承に御座います。

又、檀家様からよく御質問を戴くのは、お勤めに用いるお線香の長さで御座いますが回答としては、お勤め中は、出来るだけ香を絶さぬ様に心掛ける事からお勤めの長さに応じて決められる様お勤め致しますが香炉の大きさ等の問題が御座いますから安全且つ可能な範囲で選ばれる事をお勧め致します。

若しくは、香炉が小さいけど香を絶したく無い方には、焼香をお勧め致して居ります。

焼香は、御存知の通り香炭や炭に抹香(樒の粉末)や香木をくべる方法で上記の方法の他にタブ粉や抹香を火種に長時間燻らせる方法も御座いますので香炉やお勧めの時間等に合わせて無理の無い範囲で為される事が肝要で御座います。

因みに僧侶の法話等を「抹香臭い話」と申しますが此は、香木を焚いたものでは、無く上記の抹香(樒香)の香りを指して居りまして樒に関しては、後日改めてお話し致すとして、要は、仏教と繋がりの深い抹香(樒)の香りに掛けて仏教に関連した話を申す様です。

何より初めに申し上げました通り御捧げ致します香に関しては、量より質で御座いますから香りの良い香を少量でも構いませんので心を込めて御捧げ致します事が何より肝要で御座います。

天祥 九拝

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法話

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