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日常生活の仏教用語〔挨拶〕

合掌(瑞鳳天祥様)
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読者投稿:瑞鳳天祥様

皆様日々御精進の事と存じます。

さて、皆様は、日々の生活に於いて様々な言葉を発し意思の疎通を図りますが此の日常会話の中には、仏教用語が元と成った言葉が沢山御座います。

今回は、日常生活で使われる仏教用語を解説致したいと存じます。

先ず第一回目の言葉は、〔挨拶〕と成ります。

此の挨拶と謂う言葉は、礼儀作法の基本と申しても過言では、無く生活規範の基礎と成ります。

では、此の挨拶と申します言葉の語源ですが「押し合いながら前に進む」意味で使われて居り仏教では、特に禅の家風を持つ宗門で用いられる様に成ります。

押し合いながら前に進むと申しましても〔我先に〕と申します餓鬼の根性では、無くお互い研鑽切磋琢磨の意味で御座いますからお間違え無き様申し上げます。

お話を戻しますが禅の家風を持つ宗門では、禅問答と申します問答を頻繁に行います。(特に臨済禅)

其の問答とは、頓智和尚で有名な一休禅師の名台詞「そう申さん」「説破」が該当致します。

只、問答を行う前には、相手に敬意を払い合掌礼拝を互いにした後に始めますしお互いにすれ違う等、様々な場面で挨拶を致します。

此の僧侶同士の挨拶を〔問訊(もんじん)〕と申しますが意味は、問い伺う意味と成ります。

では、此の問訊が何故、挨拶に成るかと申しますと挨拶の〔挨〕は、「軽く触れる」〔拶〕は、「強く触れる、詰め寄る」と謂う意味が御座います。

先の意味から挨拶とは、禅問答に由来致しまして老師や師僧は、問答の時間の他にも弟子とすれ違う際等生活の様々は、場面で問答を致します。

勿論、お互いの研鑽の為ですからタイミングが合えばのお話ですし問答も四六時中行う訳では、無く弟子達の修行の具合を観てまるで親鳥が卵から孵るタイミングを合わせて外の殻を突く様に師僧も弟子達の具合を観て問答致し修行の成果や悟りに向けて誤りが無いか等を確認したり更なる飛躍に向けて導きます。此を〔啐啄同時(そったくどうじ)〕と申しますが此の問答は、模範解答は、有っても決まった解答は、無く行の進み具合に依って自在に変化致しますし悟りの形や感じ方は、それぞれに違いますから不立文字の如く解答も変化する訳で御座います。

さて、此の問答は、弟子と師僧との真剣勝負と成り先ず弟子は、師僧に合掌礼拝し師僧の前に進みます。

すると師僧は、弟子に軽く問い掛けを致します。

例えば「○○は、此如何に?」の師僧の問い掛けに対して弟子は、強く答えます。「□□△△○○うまうま故に則ち●●也」と回答集や教典等から自身の得た覚りを披露致します。

例①
師僧:汝、目前に壁面有りて進む事能わず更に一歩進むには、此如何に?
弟子:我、左右何れかに向かいて一歩を進む。

例②
師僧:此処に曲がりくねる松が有るが此を真っ直ぐに見よ。
弟子:師僧、其の松は、曲がって居ります。

此の様に師僧は、弟子に軽く問い掛け弟子は、問い掛けに強く答える一連の流れが挨拶の語源で御座います。

因みに似た意味合いとしてお坊さんの手紙等の結語として〔九拝〕や〔合掌〕等の文字を見掛けられるかと存じますが此の九拝や合掌とは、相手に対して最上位の礼を尽くす意味が御座います。

愚僧を含め僧侶は、勤行の始めと終わりの際、五体投地を三回行います。

此は、仏教に於いての最上位の礼と成り印度の礼賛法に縁起を持ち五体を地に投げ打つ程に相手(仏様)に帰依し尊敬の意を現して居ります。

此の礼拝を三回繰り返し1セットとし三回繰り返す訳で合計九拝と成ります。

此の九の数は、日本では、〔苦〕に通じる事から忌み嫌われますが古代中国の陰陽五行の思想では、〔陽気の極まった数〕として大変御目出たい吉祥数で御座います。

日本の行事では、9月9日の菊の節句が該当し早朝に菊(喜久)の花に付いた朝露で体を拭うと無病息災、長寿延命の効果が有るとされました。

お話を戻しますが同様に文末に九拝の言ノ葉を添える事で其の相手に心で拝して居ります。

此でもかなり丁寧な挨拶では、御座いますが弟子が師僧に書簡を送る際更に丁寧に〔百拝〕と書く場面も御座います。

師僧は、弟子に対して〔拝〕〔和南(わなん)〕の結語を持って答拝を致します。

此の和南とは、合掌礼拝の意味で御座いますし〔合掌〕は、印度やスリランカ等の敬虔な仏教国の挨拶〔ナマステ→ナマス(南無の語源で帰依致します。)テ(貴方に)貴方に帰依致します。〕と言って合掌し会釈する事に由来致し仏教と共に此の礼賛法が伝わったかと存じます。

帰依とは、相手に対して最上位の信頼を致しますと謂う意味ですから謂わば貴方を信頼し貴方を尊敬致しますの意味と成ります。

形は、違えど挨拶は、世界共通の基本で御座います。

相手の存在を尊重し敬う事は、仏教に限らず全てに於いて大切な事で御座います。

天祥 九拝

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