小坊主
前回のお話は梶氏が隠居願いを湛海律師にしたお話だったけど覚えてる?
梶金平一雄,隠居願いのこと
小坊主 前回のお話は湛海律師が閉関に入るお話だったけど覚えてる? 小坊主 1685年、貞享2年、湛海...
女性
はい。湛海律師が聖天様にお伺いしたら、「梶氏は今隠居すると良くないからやめておけ。」と言われたのでしたね。
小坊主
そうそう。
女性
で、湛海律師に「どうか聖天様にご祈願してお願いして下さい!」とお願いされたのですが、このお願いを無碍に断ったので、梶氏がご立腹で縁が切れてしまった。というお話でしたね。
小坊主
今回はその後のお話。
小坊主
1686年、貞享3年正月に普請が始まり、
女性
普請って工事のことでしたよね?
小坊主
そう。本堂建立の工事が始まったんだったよね。
小坊主
それから、1年ほども経った、1687年、貞享4年の春の頃のお話。
小坊主
隠居願いのことから梶氏と不通となり、梶氏からの援助も途絶えたんだったよね。
女性
そうでしたよね….ご立腹でしたから…
小坊主
湛海律師は、工事は始まるし、することも多く大変忙しくされていたんだ。
小坊主
それに、本堂の普請に思いの外費用がかかってんだ。
女性
それで?
湛海律師
洞元も嫌気がさしたのか、病気だといって大阪に出て行ったきり、使いを出して呼びにやっても帰らず、そのうち、住持の職もお返しすると申して、山に帰らなくなってしまった。
女性
洞元さん、洞元律師は、湛海律師が閉関に入られる決意をされた時、ご自分の代わりに住持の職をとお願いをした方でしたよね。
小坊主
そうだったね。生駒に来ないかと誘ってくれたのも洞元律師でしたね。
小坊主
洞元律師が戻って来ないというか、住持の職も放棄されたので、湛海律師が細かいことまで切り回さなければならなくなったんだ。
湛海律師
これには本当に煩わしいこととなったと感じている。
湛海律師
もう、本堂の建立を中止しようかとも考えた。
湛海律師
しかし、迷惑する者が大勢いるので、また、仕方なく浴油供を行して、聖天様に祈願した。
女性
しかたなく…しかたなく…しかたなくってちょっと酷くないですか?
小坊主
仕方なくじゃ…聖天様は聞いてくれましたか?
湛海律師
すると聖天様は、早々に受け入れて下さった。
女性
え~~~聖天様ってどれ程優しいの~~~~
小坊主
それほど、湛海律師を認めてると言うか、やっぱり凄いってことなんだよな…
湛海律師
聖天様のお陰で、方々から金銀の寄進があった。
女性
凄い!凄すぎる!
小坊主
そして、半年ほどの間に、銀が十貫目ばかりも集まり、本堂は湛海律師の思い通りに完成したというんだから、聖天様のお力は本当に凄いよね。
女性
はい。もう、凄いの一言です。
湛海律師
1680年、延宝8年秋に、自ら刻んだ不動明王坐像を本尊とし、その左右に制托迦、矜羯羅の二童子、吉祥天女、薬厠抳、倶利迦羅龍王の五眷属を安置した。
女性
素晴らしい不動明王像ですよね。本当に才能があるんですよね~。
湛海律師
1688年、貞享5年7月25日、無事に落慶が終り、そのうえに、弁財天のお社まで再興することができた。
小坊主
落慶(らっけい)とは、寺社などの新築、また修理の完成(落成)を祝うことでしたよね。
女性
無事本堂建立おめでとうございます!
女性
聖天様のお陰ですね。
小坊主
本当に。
小坊主
続く~
合掌
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