小坊主
前回のお話は湛海律師の初度の十万枚護摩供のお話だったけど覚えてる?
湛海律師、初度の十万枚護摩供のこと
小坊主前回のお話は湛海律師が聖天様から許して頂けたお話だったけど覚えてる?女性覚えてますよ~小坊主本...
女性
はい、もちろん!流石、湛海律師って感じですよね!
小坊主
今回は少し時代を遡った、1668年代のお話なんだ。
女性
えっと、前回の初度の十万枚護摩供は1688年貞享5年のお話でしたから、ちょうど20年程前のお話ですね!
女性
どんなお話ですか?
湛海律師
1668年、寛文8年4月27日より、7月下旬までの約3ケ月の間、たいへんな旱天に見舞われ、ちょうど田植えの季節にあたり、あちこちの神社や寺で、盛んに雨乞いの祈祷がされたが雨が降らず、人々がたいへんな難儀に陥った。
小坊主
旱天(かんてん)とは、久しく降雨がなく日照りが続くことを意味するので、4月27日から7月27日位まで雨が降らなかったというのですね。
女性
田植えに影響するので、それは、かなり深刻な状態ですね…
小坊主
雨乞いの祈祷…
湛海律師
その頃は、洛東粟田口の歓喜院に居住していたので、青蓮院の尊証門跡より、祈雨の祈祷をするようにとの思し召しがあり、お断りすることができなくて、7日を期して請雨法を修した。
小坊主
請雨法(しょううほう)とは、密教で、日照りのとき、諸大竜王を勧請 (かんじょう) して降雨を祈る修法のことだね。
湛海律師
第3日の夜に龍神が出現され、白蛇が天より下られて、私の加持にお応えになり、それより後、3日3晩大雨が降り続いた。
小坊主
もう、神だね。
湛海律師
その間、雨が少しやむようなことがあると、道場の外に出て加持をする、するとたちまちに雨が降り出す、このようなことが3度もあった。
女性
はい、まさしく神。
湛海律師
7日後の満願の日になると、雨は降りやみ、これを見て人々が感嘆をした。
女性
そりゃ、そうでしょうとも!神降臨って噂になります。
小坊主
その後ある僧が歓喜院にやって来たんだ。
小坊主
この僧は多分祈祷の験が現れなかったんだろうね
。
小坊主
湛海律師に難癖をつけて、
小坊主
「この頃の祈雨の法は、まことに奇怪というほかはない。
小坊主
雨が降ったといっても、東は日の岡を限り、南は伏見、西北は山を限って、それ以外の所には降っていない。
小坊主
おまえが修行によって得た力は、いまだ全天を潤すまでには至っていない。
小坊主
慢心してはいかんぞ」
小坊主
と言って、立ち去った。
小坊主
いや、この僧は雨自体降らせることが出来なかったんだし。
女性
まずは、雨を降らせてから言ってよね。という感じですね。
女性
もう湛海律師凄いという一言!
小坊主
次に続く~
合掌
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請雨祈願のこと(その二)
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