このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎先生と聖天様のお話です。
小坊主
前回は泉先生が話されたありがたいお話だったけど、覚えてる?
泉先生が話された生駒の聖天様と米屋のお話
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
男性
もちろん!米屋の男性がせっかく頂いたお陰をパーにしてしまったお話ですね!
小坊主
そうだったね。神様、特に聖天様とのお約束は守らねばというお話だったよね。
小坊主
今回のお話は、又、泉先生の人助けのお話!
男性
楽しみです!
泉先生、不思議なお話5
池を視ると俄てんかん
小坊主
見るからにやつれた老人が先生のところへ縋って来たんだ。
やつれた老人
「泉先生、池を見ると、てんかんが起こって困るのです。助けて下さい。」
小坊主
すると、泉先生が、
泉先生
「おっさん、あなたの墓所で、この頃、ご先祖の一番大きいお墓の仏石が見えんのう。」
泉先生
「どうしたんナ。」
やつれた老人
「え!こりゃ恐れ入りました。」
やつれた老人
「貧乏で困って居る処へ石屋が、」
「あの墓石売らんか?良い値になるが。」
「あの墓石売らんか?良い値になるが。」
やつれた老人
「と、勧められて。すまんと思ったが、背に腹は変えられん。」
やつれた老人
「ついつい、その話に引き込まれて、その気になり、」
「ある夜、こっそり墓石を運び出したんだ。」
「ある夜、こっそり墓石を運び出したんだ。」
やつれた老人
「すると、池の堤にかかった時に、丁度向こうから人が来たんだ。」
「それで、ただもう困り果て、咄嗟の思いつきで、」
「そっと池の中に墓石を転がし込んで、」
「人に見つからぬように一目散に逃げ帰ったんだ。」
「それで、ただもう困り果て、咄嗟の思いつきで、」
「そっと池の中に墓石を転がし込んで、」
「人に見つからぬように一目散に逃げ帰ったんだ。」
やつれた老人
「墓石は、それっきり、そのままになっております。」
「それから、どうしたことか、池を見ると、すぐてんかんが起こるのです。」
「それから、どうしたことか、池を見ると、すぐてんかんが起こるのです。」
小坊主
と、そんな話をしたんだ。すると、泉先生が、
泉先生
「すぐ帰って、そのお墓の墓石を水の中で紐でくくって引き上げて、元へお返しなさい。」
泉先生
「そんなにまでしてお金が欲しいのなら、よい儲け口があるが、気が付かんかなぁ。」
泉先生
「お前さんの家の屋敷内に大きな樫の木があるじゃないか。」
やつれた老人
「あぁ、気が付かなんだ。先生、良う見えるなぁ。」
泉先生
「お墓は唯の石ではないで。粗末にしてはすみませんぞ。」
泉先生
「今代わって謝ってあげる。」
泉先生
「お墓を元通りにして、心からお詫びをしたら、てんかんはもう二度と起こら無くなる筈。」
泉先生
「てんかんはお前さんの了見を入れ替えさせようとの神仏や、ご先祖のお慈悲からのありがたいお手立てであったのじゃ。」
泉先生
「さわり、祟と思うでない。」
泉先生
「有り難いお慈悲に御礼をなさいよ。」
泉先生
「お墓は、親さんの生身そのままと思ってこれからは大切にお祀りすることですぞ。」
小坊主
と言われたんだ。
小坊主
その後、しばらくして、老人はもうすっかり良くなって、てんかんは起こらなくなったんだって。
男性
墓石、ちゃんと元に戻したんだ!
小坊主
うん。きっとそうだね。
小坊主
すっかり治った老人が泉先生に御礼参りに来たんだって。
小坊主
でね、お礼参りに来られたその老人の姿は前と違って福々しくなっていたんだって。
男性
生活の方も大きな樫の木を売って楽になったのかもしれませんね。
小坊主
そうだね。墓石も元に戻して、心を入れ替えてご先祖様をお祀りすることで、ご先祖様や神仏様の御加護を頂いているのかもね。
小坊主
今回のお話はここまで。
小坊主
では、次もお楽しみに~
合掌
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泉先生の不思議なお話6-村木さんの膝
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
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