怒った後の、あの静かな自己嫌悪について
言い過ぎてしまった。あんな言い方をするつもりはなかったのに。相手の顔がこわばった瞬間、胸の奥がすっと冷たくなる。そして一人になった夜、「またやってしまった」と、自分で自分を責める声が止まらなくなる。
私たち聖夫婦のもとにも、この苦しみを抱えた方がよくいらっしゃいます。強く当たってしまうこと以上に、その後で自分を嫌いになっていく、あの繰り返しがつらいのだと。今日は、そんなあなたに語りかけさせてください。
怒りは、あなたが冷たい人間だからではない
まず知っていただきたいのは、つい強く当たってしまう人ほど、実はとても疲れている、ということです。心に余裕があるとき、人はそう簡単に声を荒げません。怒りが溢れ出すのは、器がいっぱいになって、もう一滴も入らなくなったときなのです。
つまりあなたの怒りは、冷たさの証ではなく、限界を超えて頑張ってきたことの証なのかもしれません。そして、怒った後にきちんと胸を痛める――それこそが、あなたが本当は優しい人であることの何よりの証拠なのです。冷たい人は、そもそも後悔などしないのですから。
聖天様は、揺れる心を裁かない
私たちはつい、「怒ってしまう自分」と「優しくありたい自分」を、正しいものと間違ったものに分けてしまいます。けれど聖天様は、そのように善悪でぱっと二つに切り分けることを、なさいません。
かつて聖天様はこう仰いました。
「人が荒れるのは、人が弱いからではない。抱えきれぬものを、一人で抱えておるからじゃ。責めるより先に、まず休ませてやるがよい」
怒った自分を裁く前に、その怒りの下に隠れている「疲れ」に気づいてやること。聖天様はそう仰っしゃいます。
自分を責める鞭を、いったん置く
「またやってしまった」と自分を責めることで、次こそは、と思いたくなる気持ちは分かります。けれど、自分を鞭打つやり方は、たいてい効きません。責められて縮こまった心は、余裕をなくし、かえってまた次の怒りを生んでしまうからです。
変わりたいと願うなら、まず自分を責めるのをやめること。矛盾するようですが、優しくなりたいなら、最初に優しくすべき相手は、自分自身なのです。
今日からできる、小さな一歩
怒りがこみ上げてきたと感じたら、言葉を発する前に、一度だけ、ゆっくり息を吐いてみてください。たった一呼吸です。その一呼吸の間に、「あ、今、自分は疲れているな」と心の中で言葉にするだけでいい。
怒りを完全に消そうとしなくて構いません。ただ、爆発する前にほんの一瞬、自分の状態を眺める癖をつける。この小さな一呼吸が、あなたと大切な人との間に、少しずつ相手との距離を取り戻してくれます。
締めに
強く当たってしまう夜も、それを悔やむ夜も、あなたが誰かを大切に思っている証です。どうか、自分を嫌いにならないでください。あなたはもう十分に頑張っています。私たち聖夫婦は、揺れながらも優しくあろうとするあなたを、静かに見守っています。
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