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『泉聖天尊』より泉先生の信心なお父上の大往生

お父上大往生
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このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎先生と聖天様のお話です。

小坊主
小坊主
前回は泉先生が津田から大阪に移り住んだいうお話だったけど、覚えてる?
『泉聖天尊』より泉先生、津田から大阪へ
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
男性
男性
もちろん!棺桶屋さんに転職されたんですよね。
男性
男性
でも立て続けにご家族を亡くされた。
小坊主
小坊主
そうなんだ。悲しいよね。
小坊主
小坊主
今回はそのお父上を亡くされたエピソード。
小坊主
小坊主
ある時、「村木さんよ。」といつもの懐かしい調子で、
小坊主
小坊主
泉先生が村木さんに呼びかけて、
小坊主
小坊主
お父上のご臨終のお話をしんみりと語られたんだそうだ。
男性
男性
何歳になっても悲しいですよね。
小坊主
小坊主
泉先生は、
泉先生
泉先生
父は10月5日の朝亡くなったが、前夜ふと思い出したように私を呼んで、

「讃岐志度の日打山へ折を見て、御礼参りをしてもらいたい。」

「人に頼まれて願掛けをしたが、その御礼参りが出来ておらん。」

「それから急で悪いが、縁者の人に、至急集まってもらいたい。」

と、こう言われるので、

「お加減でも悪いのですか?」と聞くと

「いや、別段の事は無い。」

「唯、もう少し、一緒に暮らしたいと思って居ったが、これもお約束事じゃからのう。」

と言われたので、私はさてはと、胸を打たれた。

その中に集まった縁者を前にして父は、いつものようにほがらかに話すばかりで、格段変わりはない。

やがて夕食の支度にかかった家内に、

「お粥を沢山になぁ。」と注文された。

出来たてを、

「あぁ、美味しい。」と3杯もお替わりされて、

又皆に面白い話をせんかとうながし、先達であった頃の石槌山まいりの話などに、興じて、夜も更けた頃、

「庄太郎はん。木の葉で、皆から水を貰いたい。おまはんが真っ先じゃ。」

と言って、樒の葉から順々に水を口へ受け終わって

「さぁ、ここへ寄っておいでよ。いよいよこれで喜んでおいとまが出来る。向こうで皆さんを護りますよ。では、さようなら。」

と言いながら、火鉢にもたれたと見る間に、ガクッと深くうつむきいられた。

その大往生ぶりを見て、「さすがは信心深い人だけある。」と皆思わず合掌した。

小坊主
小坊主
と村木さんに語られたらしい。
小坊主
小坊主
村木さんは、そのお話をされる泉先生が、
小坊主
小坊主
14~5歳の少年時代の出来事のようで、
小坊主
小坊主
44歳の時に出会った悲しい出来事とは思えなかったと記しておられるんだ。
男性
男性
純粋で、少年のような泉先生だったんでしょうね。
小坊主
小坊主
でも、お父上も凄い人ですね。
男性
男性
こんな風に縁のある方々と最後の時を楽しく過ごせたなんてきっと徳があるお方なんでしょうね。
小坊主
小坊主
そうだよね。
男性
男性
言うことも全て言って、心残りだった御礼参りも息子に頼むことができたんですよね。
小坊主
小坊主
そして、お粥を3杯もお替りして、お腹もいっぱいになって。
男性
男性
ほがらかに笑って。
小坊主
小坊主
向こうで皆さんを護りますよ。では、さようなら。と言える余裕もあったんだよね。
男性
男性
お年がまだお若いから、そこはとても残念ですが、最後の過ごし方としては、羨ましい限りです。
小坊主
小坊主
本当だね。
小坊主
小坊主
泉先生は、お父上の御命日には、石槌山の先達として使い古されたお鈴をさわやかに鳴らして供養されたらしいよ。
男性
男性
親孝行な息子さんですよね。本当に泉先生って。
小坊主
小坊主
村木さんは、そのお鈴の音色があたかも霊峰に立つお父上の御声と懐かしむように見えたと記されているんだよ。
男性
男性
しみじみしました。
小坊主
小坊主
次回はとうとう生駒聖天へ願掛け参りのお話です。
小坊主
小坊主
お楽しみに~

合掌

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聖天様と泉庄太郎

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