このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎先生と聖天様のお話です。
小坊主
前回は奥さんの妹さんである、おそのさんのお墓参りでの不思議なお話だったけど覚えてる?
泉先生の不思議なお話7-おそのさんのお墓参り
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
男性
もちろん!
小坊主
今日は、泉先生のお宅のすぐ隣に住んでいた、中浜亀太郎さんという方のお話の①
男性
①ということはこれから何話か続くということですね。
小坊主
そういうこと!
泉先生、不思議なお話8-①
中浜亀太郎-出来合いの人間ではいかん。あつらえむきにしてやる
小坊主
泉先生のすぐ隣に、中浜亀太郎という好少年が住んでいたんだ。
小坊主
亀太郎少年は、お腹を悪くして、医者に手を離された。
男性
何か重篤な病気で、もう治らないと突き放されたということですよね?
小坊主
きっとそうなんだろうね。詳しくは書いてないから分からないけど。
小坊主
医者から見放された亀太郎少年は、お母さんの勧めで、泉先生にお縋りして、幸いにその病気も根治したんだ。
男性
凄い!
小坊主
本当に凄いよね!
小坊主
そんな事があった後、ある日、先生が亀太郎少年に
泉先生
「お前は、もうない命を聖天さんに助けてもろたんじゃから、これから私の言うことをよう聞いて、信心修行をせんか。」
泉先生
「自分は、ちっとも学問をしとらんが、人助けだけは出来とるように思うがどうじゃろう。」
小坊主
と言われたんだ。
小坊主
亀太郎少年は子供心にも、「こりゃ大した事じゃ。」と思い、お縋りしようと決心したというんだ。
小坊主
そんな、ある夜更け、
泉先生
「これから、八栗参りをして、お山をしてこい。」
小坊主
と亀太郎少年は先生から言われたんだ。
男性
八栗参りは八栗聖天にお参りすることでしょ?
男性
お山をしてくるとは?
小坊主
お山を登り降りしてくるということではないかな?
小坊主
グーグルマップでは3時間ぐらい片道にかかるみたいだし。
小坊主
少年と先生が呼んで居られることから、まだ大人になっていない子が、
小坊主
たった1人で、大人でも気味が悪い険しい山道を、おそろしい夜更けに出かけるという、
小坊主
過酷なお山へのお参りだったんだ。
小坊主
亀太郎少年は、勇気を出して、夜道を歩き続けて、八栗聖天のお参りとお山をすませ、
小坊主
帰り着いたら、もう夜が明けていたんだって。
男性
それは、大変でしたね。
小坊主
亀太郎少年に先生は、ただ一言、
泉先生
「えらかったのぅ。」
小坊主
と言われたんだとか。
小坊主
それから、お山へ、続けざまに、毎日のように参らされたんだそうだ。
小坊主
しかも、いつも夜ばかり。
男性
なんで、夜なんでしょう?
小坊主
何か意味が在るんだろうね。
小坊主
雨もあり、風もあった。しけの時もあったが、先生は傘を持って行けとは、仰らなかった由。
男性
雨の日も、風の日も、本当にご苦労さまです。
男性
しかも、傘を持って行けとは言ってくださらなかったみたいですし、
男性
傘もささずに、暴風雨の時は辛かったでしょうね。頑張りましたね。
小坊主
そしていつも泉先生は亀太郎少年に
泉先生
「出来合いでは間に合わん。あつらえ向きの人間にしてやる。」
小坊主
と、仰られたそうなんだ。
小坊主
亀太郎少年は、このお山を随分続けたんだとか。
男性
「出来合いでは間に合わん。あつらえ向きの人間にしてやる。」とは?
小坊主
うん、そこ気になるよね。
小坊主
まず言葉から考えてみようか..
小坊主
出来合いというのは、
小坊主
注文して作ったのではなく、すでに不特定多数の消費者に向けて、完成品として作られていること。
小坊主
あつらえむきというのは、
小坊主
まるで注文して作らせたように、希望どおりにぴったり合っていることを指す言葉。
小坊主
なので、きっと、先生が考える聖天様にお仕えするのに最適な人、
小坊主
既製品の人間では聖天様にお仕えするのに最適ではないという意味合いではないのだろうか…
男性
おぉ~…なんかそんな気がします。
男性
それが、八栗の聖天様に夜お参りする事と繋がるのでしょうか?
小坊主
そうなんだろうね。
小坊主
意味なくさせているようには思えないから。
男性
そうですよね。
小坊主
亀太郎少年はきっと聖天様にお仕え出来る選ばれし人間になるんだろうね。
小坊主
今回のお話はここまで。
小坊主
では、次もお楽しみに~
合掌
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