今回のお話は、湛海律師御自筆『霊感記』下巻より 湛海律師が聖天様へ法施をすることで思い通りに事が運ぶという場面です。
小坊主
前回のお話は湛海律師の南禅寺での修行のお話だったけど覚えてる?
湛海律師、具足戒を受けその後、南禅寺での修行
今回のお話は、湛海律師御自筆『霊感記』下巻より 湛海律師が南禅寺での修練される場面です。 小坊主 前...
女性
はい、覚えてます。人間の顔を見ただけで心が読み取れたり、動物の考えていることも分かるようになった!というお話でしたね。
小坊主
今回は聖天様へ法施のこととタイトルで言っているんだけど、『聖天様へ法施』というは、聖天様に向かって経を読み、法文を唱えるということを言っているんだ。
女性
はい、湛海律師は選ばれし方なので、是非再度聖天様へ傾倒して欲しいと熱望します。
小坊主
そうだね。すっかり聖天様から心が離れているんだよな~、湛海律師…
湛海律師
1678年 延宝六年 七月中頃、文殊一行三昧の三百日の行も終わった。
小坊主
医王山南禅寺に移り住んで、1000日の禁足戎の間に、三百日を限って、文殊菩薩の智慧の境地を瞑想する、文殊一行三昧の作法に基づいて、文殊菩薩の前に座を整え、昼夜臥することなく、日に一度の食事と、便所に立つ以外は一足たりとも歩まない行を行っておられたんだったね。
女性
お疲れ様です。凄いです。
湛海律師
前々からの望みであった八万枚護摩供の前行として、不動尊の供養法に入った。
女性
湛海律師はお不動様大好きですよね。
湛海律師
作法が多くいろいろと考えることがあるので、修法が妨げられて困ってしまい、これはどのような理由で障礙があるのかと、心の中で聖天様を怨むことがあった。
女性
修法が妨げられると、聖天様が何か妨げていると心の中で聖天様を怨むのは…どうなんでしょ…
小坊主
どうなんだろうね・・・
湛海律師
そのような最中に、 「そんなに難儀をするのは、おまえが聖天を捨ててしまったからであるぞ」と、虚空菩薩からのお声があった。
女性
虚空菩薩様がそうおっしゃるなんて…やっぱり、聖天様は邪魔をしていたんでしょうかねぇ?
湛海律師
お声によって気がつき、 いろいろと顧みると、 粟田口の歓喜院に在住中、 大願成就を願って1000日の浴油供を開白したが、第600日目頃の1672年、寛文12年5月の末、円忍律師のお諭しを耳にしたことから、聖天に疑念を抱き、以来、供修もやめてしまった。
小坊主
そうでしたね…
湛海律師
聖天様に発願しながら途中で修供をやめたので、このような目にあうのだ。
女性
歓喜院を出る時、聖天様ものすごく怒っておられましたよね。
湛海律師
しかし、今はいっさいのことを投げ捨てて、ただ心静かに悟りの境地に至る行を修めるのみであると思いつつ時が過ぎた。
小坊主
いっさいのことを投げ捨てて…もしかして、あの約束も投げ捨てているのでは?
女性
あの約束とは?
小坊主
確か1673年 延宝元年、3月から4月頃、円忍律師の自坊であった法隆寺の北室院に移り住んだ時も、なかなか思うように事が運ばないし、病気もするしで、困り果てて、聖天様に、『これから以後も、聖天様の宝前に供物を供え、お経を唱えて、日々に供養申し上げます。』と願分を認めてお願いをしておられた…
女性
そうでしたね。やってませんね…これは…
湛海律師
ポリポリ…ゴホンゴホン…
湛海律師
そんな、ある日夢を見た。
湛海律師
自分の体も、着ている衣類もすべてが油に浸され、いくら洗っても油が落ちずに、たいへん困惑しているところに、
湛海律師
とある人が私を助けるために、油を掬い取ってみていわれるのに、
湛海律師
「ああ、もっともなことだ。たいそう浴油供を修してきたので、天尊のお心がおまえに染み着いて、身も衣類も油に浸されてしまうのだ。天尊に供養をいたせば、油が洗い落とされるように、天尊に拘る心もなくなるであろう」と申された。
湛海律師
夢が醒めて後、少しづつ天尊に供養したところ、不動尊へのお勤めも心静かにできるようになった。
小坊主
いや~….そりゃそうでしょって気がするんだけど…
女性
ま~ものすごい壮絶な修練をされていて、時間が無いのはわかりますが、聖天様は、忘れちゃ駄目ですよね~…
小坊主
是非このまま怒らせず、続けて頂きたい….次もお楽しみに~
合掌
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湛海律師、具足戒を受けその後、南禅寺での修行
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