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豊さと縁起

七色の空
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僧侶様の法話

執筆者:瑞鳳天祥

今日は、豊かさと縁起に付いてお話し致しましょう。

さて豊かさとは、一体何でしょうか?

其の答えとしては、人各々に価値観や見解の違いで回答は、変わると思いますが然し、其の本質には、以前お話致した通り心の充足が基本に成ります。

では、其の豊かさを如何に求めるかですが其の事に付いては、以前よりお話して居るように【知足常樂】即ち【足る事を知る】と云う事です。

更に掘り下げると【足る為には、如何にするか?】と云う問題ですが

その方法は、「豊」の文字に含まれて居ります。

豊の文字を分解すると豆と曲の文字に成りますが豆は、様々な作用(縁)を受け蔓を伸ばし其の蔓は、状況に応じて様々に曲がり成長を続け豊かな稔りをもたらします。

是の事から解釈すると豊かに成る為には、状況に応じて自由に曲がる即ち心の柔軟性が求められるのです。

この関係は、柔軟な心を持つ事で謙虚と成り謙虚さは、新たな縁を紡ぎます。

縁が繋がれは、新たな仕合わせを呼び幸いや機会も生まれるのです。

更に蔓で関係するのが風呂敷に描かれる【唐草模様】や家紋にも用いられます【蔦紋】ですが是も古来より大切にされた模様ですがそれには、深い意味が有るので御座います。

唐草模様は、ペルシャから伝わったものですが日本人は、模様に様々な意味や願いを込める文化が御座いまして唐草や蔦紋に込められた願い意味とは、蔓の如く自由に曲がり又その繋がり(縁)を説いたのです。

古来より嫁入り道具を包む風呂敷の柄として又、日常の包みとして用いた模様ですが其の意味には、【蔓の模様に己と他の縁】を喩え其の繋がりが有るから自分が有る故に我を通さず柔軟に過ごす事又感謝を忘れては、成らないと云う事で御座います。

人間関係は、好ましい、好ましく無いが有りますし人の苦しみの一つに【怨憎会苦】御座いますが其も貴方に与えられた課題で有り学びなのです。

貴方に起こる困難は、時間が掛かっても必ず乗り越えられますし又、其の事から学ぶ事で大きく成長し蔓を伸ばすが如く縁が広がるのです。

困難は、決して無駄や周り路では、無く成長の段階に於ての心の修養なのかも知れません

故に焦らず騒がず本質を見詰め精進を重ねる事が肝要なので御座います。

さて先の【縁】に関してもう少し深読み致しますと世の中には、【縁起を担ぐ】や【縁起が良い】と申しますが縁起とは、【因縁生起】の略語と成ります。

【因縁生起】とは、要するに因果律に基づく原因と結果の成り立ちと成ります。

一言に原因と結果と云ってもその間には、様々な作用【縁】が有り初めて事が起こるのです。

例えるなら一つの種が芽吹く為には、種(因)と熱作用(縁)が有り始めて芽吹く(果)が生じる(生起)と成る訳で何れか一つが欠けても実現は、出来ませんね

故に良い縁に恵まれ幸先の良い事を【縁起が良い】と申しまして良い結果(賽の目)が出る事を願い【目出度い】や良き実りと成る様に【芽出度い】と言祝ぐ(ことほぐ)訳で御座います。

さて話を戻しますが善く縁起が良いとか縁起が悪いと言いますが

例えば茶柱が立つ事を例に挙げますが其の事柄自体は、迷信に近いのですが本質には、その茶柱を眺める程に心に余裕が有ると云う事で迚肝要な事なのです。

即ち心の余裕→広く物事を観る→小さな幸福(仕合わせ)を見付け易いと云う関係が成り立ちます。

心に余裕が無いと息が早まり焦りが生じます。

焦りが生じると視野が狭く成ります。

視野が狭まると今度は、我が強まります。

我が強まると今度は、慢心が生まれます。

慢心が生まれると正しい行動が出来ませんから物事が巧く進みません

巧く進まないから無理を致します。

無理をすれば歪みが生じます。

そうなると体や心に自ら囲いを設ける事と成りますから不調をきたし困り辛く成ります。

困るとは、木に囲いを設ける訳で御座いますから成長が阻害される訳で御座いますから大変窮屈で稔りも望めません故に困るので御座います。

更には、其の事柄に対して我見と慢心の心が生じて居りますから故に我慢をします。

我慢をすれば【れば、たら】と他に当たったり自分を卑下致します。

後は、ご存知の通り悪循環の中で四苦八苦する訳で御座いますから更に囲いを増やし困る事柄が増える訳で御座います。

是の事から解るように物事には、原因と作用と結果の簡単で複雑な関係が有るのです。

では、如何にして其処から抜け出すか?ですがほんの些細な事ですが【自分の為に自由な時間を設ける】要するに心の解放の時間を作る事です。

其の時間を作り感覚を覚える事で何時でもその感覚を思いだし作り出す事が出来ます。

所謂、良い流れのルーティングを創る事です。

後は、自ずと解るように視野が拡がり適切な対処が出来、仕合わせ(心の安足)から幸せへと繋がるので御座います。

後は、其のルーティングを繰返し行えば良い訳で御座いまして縁起を担ぐと云う事は、迷信のようで生活の中で様々な智恵を含んで居ますし本質を考えても迚重要な事なので御座います。

天祥 九拝

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法話

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