執筆者:瑞鳳天祥
さて本日は、無償の愛情に付いて考察して見ましょう
無償の愛情とは、仏教では、慈悲(抜苦楽与)と表現されますが今回は、一寸違った観点でお話を進めて見たいと思います。
一般的に【愛】と謂う言葉に関しては、樣々な表現が御座いますが【無償の愛】と聞くと迚、崇高で謂わば幻想の如く聞こえるもので御座いますが。
其の心は、誰しも持ち合わせる事が出来ますしほんの少しの努力で其の心の境地に至る事が出来ます。
さて、無償の愛情の境地に至らない無い理由を申し上げますと即ち心の中に有る不安や怖れの心が最たる理由と成るかと存じます。
即ち先への不安や失う事への怖れの心や見返りを求める心が不必要な妄想と成り執着や束縛、攻撃へと転じます。
例えば男女の関係に於いての極度の束縛や執着、携帯の覗き見、牽いては、DV、ストーキング等犯罪に発展するケースも有ります。
謂わば此れ等は、相手を失う恐怖や不安、更に自分に自信が無いが故に攻撃的、束縛的な行動に成ります。
即ち怖れや不安から妄想を膨らませ更に自分の行為に対して見返りを求める事が原因と成り此れを【渇愛】と申します。
即ち渇愛とは、砂漠で水を求めるが如くに心が渇き【愛情】と謂う水を得ても決して潤い満たされる事は、有りません…。
何故なら心の器が小さ過ぎて与えられる愛情の温もりすら感じられず常に孤独に在るからです。
故に常に不安と恐怖の妄想に囚われ決して心休まる事無く狭い視野と我見で相手を傷付け自分も傷付けて居るのです。
では、如何にして其の境遇から脱するかですが其は、智恵を身に付け心の器を広げる事が肝要と成ります。
先ず智恵は、心の器を拡げ又、渇愛の焔を消し去ります。心の器が拡がれば余裕が生まれ愛情を余す事無く受け心が満たされます。
心が満たされれば視野も拡がり安心に到り又更に智恵を身に付けます。
其の繰り返しが自信と無償の愛情に繋がるので御座います。
此処で一つ申し上げますが無償の愛情とは、決して自己犠牲の精神やひたすら尽くす事では、有りません
自己犠牲やひたすら尽くす事の裏には、見返りを求める部分が有り誤った考えや行動に成りますし其の相手にも悪影響を及ぼします。
所謂、依存型の関係に陥るのです。
以前にもお話致しましたが依存型の関係は、御互いの関係を歪め御互いの成長を歪めます。
無償の愛情とは、即ち出来る事を出来る範囲で御互いに行い又、無理が無く互いの心が満たされ御互いに成長出来る関係に有る事が前提条件と成ります。
此の事を踏まえてお話を進めますが先に出た【智恵】とは、先ず偏らない事です。
偏りを見せれば無理が生じ歪みが生まれます。
もう一つは、理解【理を解す】る事、もう一つは、有るが儘に受け入れる事です。
即ち好きも嫌いも強さも弱さも其の儘に受け入れる事が肝要なのです。
人には誰しも段階が御座います。
自己犠牲をして、愛情を注ぐ必要はありません。
自己犠牲をする時点で、無理をして居ますし「未だ其処まで器(境地)には到って居ない」とも言えるのです。
ですから、少しずつ、器を大きくしていく必要が有るので御座います。
然し、自己愛という偽物の愛情を愛だと勘違いして、自分の心に増やしていくと、人はどんどん苦しくなって参ります。
謂わば先程申上げた通り智恵の根本には、偏りの無い事が有りますから自己愛とは、自分さえ良ければの偏りが御座います。
かと言って自身を大切に出来なければ相手を大切にする事は、出来ません故に自己愛心では、本当の自身の心を満たして居るものでは、無く独り善がりで御座いますし何れは、孤独と申します結末が待って居ります。
謂わば偏る事無く自身を大切にする分同じだけ相手も大切にする事が肝要で御座います。
其の事を頭では、無く“心”で理解できるように成った時、人はより一層【人を本当に愛せる様に成りたい】と願う様になります。
其が所謂、慈悲心で御座いまして無償の愛情の核と成ります。
そして、其の気持ちが自然と湧き出でる樣に成る為にも心の器を大きくするのが近道なので御座います。
何より心の器を大きくする方法は、無理し過ぎない程度に、理想とする自分に近づいて行く事が肝要と為ります。
つまり、心も筋肉と同様、「鍛える事」も必要なのです。
心の器は段々大きく成って行くものなので、始めは難しい事でも、暫く経つと楽に出来る樣に成ります。
其は、日頃の【身と心の習慣】が大切で出来る範囲で繰り返し行う事が肝要です
心の器が大きく成って来ると、自分でも実感でき、より自分のことを好きに成ります。
更に、その心の器の大きさが、「自分自身の魅力」にも繋がります。
其の魅力が自分の自信へと繋がり軈ては、無償の愛情を注げる人へと変化します。
即ち無償の愛情とは、決して幻想でも綺麗事でも無く少しの努力で誰でも得られる素敵なものなのです。
天祥 九拝
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