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湛海律師、具足戒を受けその後、南禅寺での修行

蓮
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今回のお話は、湛海律師御自筆『霊感記』下巻より 湛海律師が南禅寺での修練される場面です。
小坊主
小坊主
前回のお話は湛海律師が歓喜院を周範に讓るお話だったけど覚えてる?
湛海律師、歓喜院を周範に讓る
今回のお話は、湛海律師御自筆『霊感記』下巻より 湛海律師が不動明王様のご眷属になると決心されたので、...
小坊主
小坊主
今回は、湛海律師の修行の様子が記されている場面なんだ。
小坊主
小坊主
1674年、延宝2年12月4日、律の修学を決意した湛海律師は、青蓮院の尊証法親王に別れの挨拶を済ませて歓喜院を発ったんだ
湛海律師
湛海律師
そして、すぐに神鳳寺に入って円忍律師について律学を学び始めた。
小坊主
小坊主
そして、3年が過ぎた…
湛海律師
湛海律師
1676年、延宝四年、1月17日、円忍律師を師として具足戒を受けた。
女性
女性
具足戒って?
小坊主
小坊主
まず「戒律」の「戒」と「律」のお話からすると、
小坊主
小坊主
「戒」と「律」ではもともとは意味が違うんだ。
小坊主
小坊主
「戒」は、悟りを目指して個人的に頑張る決まりのようなものなんだ。簡単に言うと善い習慣のようなものだね。
小坊主
小坊主
「律」は僧侶の集まりの生活上のルールと考えてもらえればいいかな。もちろん守れなければ罰則があるんだ。
小坊主
小坊主
男性の僧侶は二百五十戒があるんだ。この二百五十戒は正確には「律」なんだけど、「二百五十戒」とも「具足戒」ともいわれているんだよ。
小坊主
小坊主
湛海律師はこの「具足戒」、「二百五十戒」を受けたということだね。
小坊主
小坊主
具足戒には明確な罰則があって、中には永久追放になる内容もあるんだよ。
小坊主
小坊主
また、7日間の懺悔、没収などの罰則も決められている厳しいものなんだ。
小坊主
小坊主
湛海律師はこの数多い具足戒を守りながら生活を送ることとなるんだね。
小坊主
小坊主
具足戒を受けた湛海律師は洛西広隆寺の桂宮院に赴いて、律の勉学を続けたんだ。
湛海律師
湛海律師
桂宮院では勉学の合間に不動尊の粉本を描いた。
湛海律師
湛海律師
そして仁和寺経蔵の金胎両界の敷曼荼羅を写させた。
湛海律師
湛海律師
そして、六粒の舎利を手に入れることができた。
小坊主
小坊主
そして同年秋に、風の森にある医王山南禅寺に移り住んだんだ。
湛海律師
湛海律師
千日の禁足を誓って行に入ったが、貧しいがために一合の米を粥として、食に当てるような毎日であった。
湛海律師
湛海律師
千日禁足を誓ってからは間断なく座禅を勤めた。
女性
女性
禁足とは?
小坊主
小坊主
境内から一歩たりとも外出を許されないのが禁足なんだ。
小坊主
小坊主
1000日というから3年弱の間、医王山南禅寺の境内から一歩たりとも外出しない行を行ったということだね。
湛海律師
湛海律師
当初の頃は座禅に集中できず、心が乱れているためか、 毘那夜迦が心の中まで入り込み、 精神の統一ができずたいへん不安であった。
湛海律師
湛海律師
しかし、昼夜を分かたず勤め励んだがゆえに、心の安定に応じて、心中に入った障害が、外に出て行くのが自覚できるようになった。
湛海律師
湛海律師
また、心が動揺している時は、心中に入るのが判った。
湛海律師
湛海律師
しかし、最近は心が落ち着くとともに、外に出た毘那夜迦が、行を邪魔立てをするかのようの、彼の手でもって私の体を揺すってみたたり、胸の中に手をさし込んだりして、淫らな行いをする異類の毘那夜迦を見るようになった。
女性
女性
凄いですね…
湛海律師
湛海律師
このような最中にも、年の明けた 1677年 延宝五年1月29日には、 「南禅寺の縁起草稿」を記述し、 4月には不動法の「焼八千枚作法」や「不動明切紙」を写し書いた

湛海律師
湛海律師
9月初め、三百日を限って、文殊菩薩の智慧の境地を瞑想する、文殊一行三昧の作法に基づいて、文殊菩薩の前に座を整え、昼夜臥することなく、日に一度の食事と、便所に立つ以外は一足たりとも歩まない行に入った。
女性
女性
更に、昼夜臥することなく、日に一度の食事と、便所に立つ以外は一足たりとも歩まない行まで?
小坊主
小坊主
年が変わり、1678年、延宝六年3月末の頃に、行も200日を越えた。
湛海律師
湛海律師
この頃になると、修行に応ずるかのように、瞑想を始めるとすぐに、禅定の境地に至れるようになり、煩悩のあるがままの姿は、そのまま仏道の真実不変の真理であるという、煩悩即菩提の境地は、三世永劫に不変であることを知った。
女性
女性
煩悩即菩提の境地とは?
小坊主
小坊主
悟り(菩提)とそれを妨げる迷い(煩悩)とは、ともに人間の本性の働きであり、煩悩がやがては悟りの縁となることであるという考え方
小坊主
小坊主
すべての衆生は何かしら欲求を持って生活せざるを得ず、したがって煩悩を完全に滅することは不可能と考えられるようになったんだ。
小坊主
小坊主
また煩悩があるからこそ悟りを求めようとする心、つまり菩提心も生まれると考えられるようになったんだ。
小坊主
小坊主
煩悩を離れて菩提(悟り)は得られない。また逆に、菩提(悟り)なくして煩悩から離れることはない。これを「煩悩即菩提」と言うんだよ。
女性
女性
「煩悩即菩提」が三世永劫に不変であることを知ったんですね?
小坊主
小坊主
煩悩を離れて菩提(悟り)は得られない。また逆に、菩提(悟り)なくして煩悩から離れることはないということが三世 (過去・現在・未来)の時間の中でいつまでも変化せず、終わることなく続くということを知ったんだ。
湛海律師
湛海律師
また、人の顔を見ただけで、心の中まで読み取ることができるようになり、鳥や獣でも同様にその心を知ることができた。
湛海律師
湛海律師
そんなある日、小さな蛇が現れて私の顔を見上げていたが、その心の中は、軒下にある雀の巣の中の雛を取りたいが、今は人が見ているので中に入ることはできない、
夜になって暗くなってから巣に入って、食べようと思っているのを知った。
湛海律師
湛海律師
案の定、夜になると蛇が現れ、柱を上って巣の中に入ったので、手を打ち鳴らして寺男を呼び、巣のある所を指さし教えて雛を救った。
湛海律師
湛海律師
その後も、同じようなことが多々あった。
女性
女性
人の心だけでなく、動物も含めた気持ちが読み取れるようになったんですね。
湛海律師
湛海律師
このようなことがあって、残り100日のうちの90日ほども過ぎた6月末の頃、極暑の候で非常に暑いにもかかわらず、少しも暑さを覚えなかったが、
湛海律師
湛海律師
自然に汗が流れて尻の下あたりを湿らせていたのか、食事に立った際に、尻の皮が衣にへばりついて剥けてしまい、血と汁が滲み出て痛みを感じたが、それでもなお、一晩中尻が座につけないように、膝を立て座禅を続けたので、一晩で傷が治った。
女性
女性
もう、修行の厳しさもそうですが、凄いことのてんこ盛りですね。
小坊主
小坊主
修行修行の毎日の湛海律師でした~。次回もお楽しみに~。

合掌
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湛海律師、聖天様へ法施のこと
今回のお話は、湛海律師御自筆『霊感記』下巻より 湛海律師が聖天様へ法施をすることで思い通りに事が運ぶ...

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聖天様と湛海律師

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