このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎先生と聖天様のお話です。
小坊主
前回は泉先生が聖天様から頂いたお力で狸と人を助けするお話だったけど、覚えてる?
泉先生、聖天様から頂いたお力で狸と人を助けたお話
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
男性
もちろん、狸も息子さんも助かって良かったですよね~
小坊主
今回のお話は、泉先生と、村木さんが生駒宝山寺へお参りの際の道中で話されたという不思議なお話です。
男性
わ~楽しみです!!
先生が話されたありがたーいお話1
大阪相場師と、生駒山裏参道の敷石
小坊主
今は、ケーブルがお山の頂上まで出来ていて、
小坊主
このお話の頃とすっかり様子は変わってしまっていますが、
小坊主
生駒山の奥の院から、石切さんへの長い坂道は、
小坊主
相当の道のりで今も昔も変わりなく、
小坊主
通いやすいように、古い敷石や石の階段道が残っていますよね。
小坊主
その古い敷石や石の階段道を村木さんと泉先生が2人でコツコツと降りていきながらのお話。
泉先生
「村木さんよ。この石段には有り難い言われがある。」
小坊主
と言って話し始めたのはこんなお話だったんだ。
小坊主
「昔、大阪に米屋さんがあった。」
小坊主
「その米屋の男性が、相場で一儲けさせてもらおうと、ただ一人17日間、」
「生駒聖天さんにおこもりして、一心に祈願した。」
「生駒聖天さんにおこもりして、一心に祈願した。」
小坊主
「17日目満願の夜明け、」
「あのお堂のきざはしにひざまずいて」
「あのお堂のきざはしにひざまずいて」
米屋の男性
「さぁいよいよ満願の日じゃ」
小坊主
「と、ことさらな気持ちで、祈って居ると、」
小坊主
「上に吊るしてあった鰐口がどさっと落ちて背中に当たった。」
小坊主
「ビックリする間もなく、気絶した。」
小坊主
「暫く経って気がつくと、」
聖天様
「お前の持ち物を皆売って、思いきって相場をはれ。」
「きっと儲かる。儲けさせてやる。」
「その代わりに約束がある。」
「お前も知っての通り、皆がここへ参るのに難儀をしておる。」
「儲かったその金で、お山への長い道に、」
「雨の日も、雪の日も通いよい様に」
「石を敷き、板にははきざしをつけよ。」
「そんな工事をしても、金はまだ充分あまるから、」
「そのあまりで、夫婦がこの上の金儲けを一切考えんで暮らせ。」
「どんな事があっても、相場は今回切り、」
「また張ったらその時はこらえんぞ」
「きっと儲かる。儲けさせてやる。」
「その代わりに約束がある。」
「お前も知っての通り、皆がここへ参るのに難儀をしておる。」
「儲かったその金で、お山への長い道に、」
「雨の日も、雪の日も通いよい様に」
「石を敷き、板にははきざしをつけよ。」
「そんな工事をしても、金はまだ充分あまるから、」
「そのあまりで、夫婦がこの上の金儲けを一切考えんで暮らせ。」
「どんな事があっても、相場は今回切り、」
「また張ったらその時はこらえんぞ」
聖天様
「なお、お前は今、目が見えんようになっとるだろうが。」
小坊主
「そこで辺りを見廻すと、さっぱり見えないので驚く男へ」
聖天様
「お前から視る力を当分、神が預かった。」
聖天様
「さぞ不自由だろうが、大きい願いを叶えてやったのじゃから、」
「ありがとうと思うて我慢せい。」
「米屋はさっぱりとやめよ。」
「その代わり、手でお加持をすると、それだけで、」
「人の病気が治るという不思議な力をお前に今授ける。」
「大阪に帰るとどこからともなく、沢山の人が手当をしてくれるようにと」
「頼んで来るようになるから、その時は、神への恩返しと思って、」
「骨惜しみせず、お加持をして、せっせと功徳を積むことじゃ。」
「この約束をきっと守れよ。ゆめゆめまちがうなよ。」
「ありがとうと思うて我慢せい。」
「米屋はさっぱりとやめよ。」
「その代わり、手でお加持をすると、それだけで、」
「人の病気が治るという不思議な力をお前に今授ける。」
「大阪に帰るとどこからともなく、沢山の人が手当をしてくれるようにと」
「頼んで来るようになるから、その時は、神への恩返しと思って、」
「骨惜しみせず、お加持をして、せっせと功徳を積むことじゃ。」
「この約束をきっと守れよ。ゆめゆめまちがうなよ。」
小坊主
「このお言葉を頂いて、夢心地でポカンと、立ち通しているところへ、」
「嫁さんがこれ又、その夜の夢に、急いで参れととのことで駆けつけてきた。」
「一部始終を男から聞いて、」
「目が見えなくなった事も悲しまず、互いに手を取り合って喜んだ。」
「嫁さんがこれ又、その夜の夢に、急いで参れととのことで駆けつけてきた。」
「一部始終を男から聞いて、」
「目が見えなくなった事も悲しまず、互いに手を取り合って喜んだ。」
小坊主
「さて、お告げ通りに、思い切って相場を張ると、大当たりの大儲け。」
小坊主
「お指図に従い、早速あの長い石の道を奉納して、」
小坊主
「まだ余った沢山のお金を大切に、」
「お約束通り、米屋商売もヤメて、」
「どんなことになるかと待っていると、」
「お約束通り、米屋商売もヤメて、」
「どんなことになるかと待っていると、」
小坊主
「やがてどこからともなく、」
「次々と病気を直して下さいと、人が来るようになった。」
「ただ、なんとはなく手を当ててさすると、」
「皆元気付いて帰っていく。」
「次々と病気を直して下さいと、人が来るようになった。」
「ただ、なんとはなく手を当ててさすると、」
「皆元気付いて帰っていく。」
小坊主
「こうして月日を過ごすうち、強く封じ込んでおいた筈の」
「”相場をしたい”という」
「いやな虫がおこりだした。」
「”相場をしたい”という」
「いやな虫がおこりだした。」
小坊主
「ついにどうも我慢出来なくなって来た。」
米屋の男性
「ええぃ、ちょっとなら、こらえてくれるだろう。」
小坊主
「と、聖天様との大切な約束を反故にして、」
「気易く、相場を張ってみたら、」
「気易く、相場を張ってみたら、」
小坊主
「忽ち大損。」
米屋の男性
「こんな筈はない。」
小坊主
「と一度が二度、四度、五度と続けて皆外れるばかり。」
「手持ちの金はこれに入れきって、無一文となった。」
「手持ちの金はこれに入れきって、無一文となった。」
米屋の男性
「さて、どうしたものか。」
小坊主
「と、思い悩むうちに、パッと眼が開いた。」
小坊主
「と同時に、手から不思議な力はのいてしまって、もとの木阿弥。」
小坊主
「米を一升二升と量り売りする平凡な手になってしまい、」
「昔の米屋に返って、細々と寂しい暮らしをした。」
「昔の米屋に返って、細々と寂しい暮らしをした。」
泉先生
「と聞いている。」
泉先生
「神さんのお言いつけ、お約束は、」
「必ず守らにゃならぬ。」
「必ず守らにゃならぬ。」
泉先生
「とりわけお聖天様とのお約束は大切じゃ。」
泉先生
「お慈悲が強いだけ、あらたかじゃからなぁ。」
泉先生
「お陰やお慈悲に慣れて、お約束を反故にするような事は、」
「どんな事があっても許されんぞ。」
「どんな事があっても許されんぞ。」
小坊主
先生が話して下さったこの世にも不思議な先生の道中話を、
小坊主
村木さんが、ふと思い出して、讃岐の同信の方に物語ったんだ。
小坊主
熱心に聞いていたその方は、
わざわざ、この石段を辿りに行ったんだって。
わざわざ、この石段を辿りに行ったんだって。
小坊主
こんな人はきっと大きいお陰を頂くものと、私は思っている、
と村木さんは記しているんだ。
と村木さんは記しているんだ。
小坊主
あらたかな生駒山には
これに似たありがたい世にも不思議な話は山程積もって居る筈。
これに似たありがたい世にも不思議な話は山程積もって居る筈。
小坊主
とこんなお話だったよ!
男性
せっかく頂いたお陰を反故、約束を破ることで、パーにしちゃったんですね。
男性
なんという勿体ないことを!
小坊主
人間同士の約束では無いんだからね。
ごめん、ごめんでは済まないって事を理解しないとね。
ごめん、ごめんでは済まないって事を理解しないとね。
小坊主
特に今回は聖天様から切り出されたお約束なんだから、
絶対破ってはいけない約束だったんだよね。
絶対破ってはいけない約束だったんだよね。
男性
お約束と言えば、断ち物祈願する方まだいるんですよ…
小坊主
断ち物祈願は、絶対にしちゃいけないよ!
小坊主
聖天様はそんなお願いの仕方を望んで居るわけでは無いんだ。
小坊主
それなのに、一方的に自分から「〇〇を断ちますから叶えて下さい!」
とか言ってお願いをしてしまうと、
とか言ってお願いをしてしまうと、
小坊主
その願いを叶えてもらったら、
お約束は成立しているから、
一生その約束は守らないといけない。
お約束は成立しているから、
一生その約束は守らないといけない。
小坊主
一生は長いから、そんな約束守り通せる?
男性
たぶん…無理…
小坊主
ね、だから、断ち物祈願はしては駄目!
小坊主
えっ?と思った人いる?
小坊主
そんな方は無料相談から聖夫婦にご連絡下さいね~
小坊主
今回のお話はここまで。
小坊主
では、次もお楽しみに~
合掌
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このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
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泉先生、聖天様から頂いたお力で狸と人を助けたお話
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
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