このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎先生と聖天様のお話です。
小坊主
前回は泉先生棟上げに大喜びというお話だったけど覚えてる？
泉先生棟上げに大喜び
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
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女性
もちろん！本日のお話は？
小坊主
泉先生の津の峰まいりのお話！
泉先生津の峰まいり
泉先生突然村木さん宅へ
小坊主
話は随分遡りますが、
小坊主
泉先生が村木さんに初めてお目にかかった年の暑い夏の昼頃、
突然泉先生が村木さんのご自宅に来られたんだ。
突然泉先生が村木さんのご自宅に来られたんだ。
小坊主
村木さんの家族の一同にも旧知の間柄の様にご挨拶されて、
光明真言を1人で1億万回唱えて建てたという、ひいおばあさん供養塔へもお参りされたということなんだ。
光明真言を1人で1億万回唱えて建てたという、ひいおばあさん供養塔へもお参りされたということなんだ。
大勢の命乞いをしてある「命べの津の峰さん」へ
小坊主
それから、大勢の命乞いをしてある、いのちべの津の峰さんへ詣りたいと仰るから、お伴をしたというんだ。
女性
津の峰さんというと、徳島県阿南市津乃峰町にある、津峰神社でしょうか？
小坊主
多分そうじゃないかな…
女性
その津峰神社に泉先生と村木さんがお詣りに行かれたんですね。
小坊主
うん。お二人が拝んでから、お堂を降りようとすると、先生の下駄がない。
小坊主
すると先生は、又登って行って、神様の方へ向いて、
泉先生
「粗末な私の下駄を履き違えて、よう似ているが、桐のが残っとります。」
小坊主
と言われたんだって。
小坊主
すると、今度は同じ先生の口から声が出て、おごそかに、
聖天様
「お前の下駄を若者が履いて、下る途中、気がついた。」
聖天様
「すぐ引き換えしてくるから、待っておれ。」
小坊主
と言ったんだ。
小坊主
これを見ていた人々がいたんだ。
女性
どんな反応だったのですか？
小坊主
神様がついているとは思わないから、その方々は、おやっという表情で顔を見合わせて、
小坊主
村木さんの方を見て、「可哀想に。あの若い人。精神を病んだお父さんを連れて。」とささやく小声がして、
小坊主
それが、村木さんの耳にも入ったし、おそらく先生の耳にも入ったんだって…。
女性
あら…
小坊主
その中、下駄を履き違えた若人が、本当にあたふた上がって来たんだ。
小坊主
先生はその若人と、下駄のかえっこをして、それからすぐ、先生は、神さんへお礼を申された。というんだ。
小坊主
その周りにいた方々の反応は、この出来事を目の当たりにして、一気に変わったんだ。
小坊主
そう、先生は、一気に凄い人として見られるようになったんだ。
小坊主
そうとは知らずに申し訳ない事を言ったという様な眼差しで、村木さんにそっと会釈をされたというよ。
先生は何を言われてもどんな目で見られても淡々と…
小坊主
先生はどう見られても、いつも淡々として、一向意にとめて居られなかったんだって。
女性
大物ですね！
小坊主
本当にそうだね。
小坊主
先生らが津の峰に行かれた日は、丁度御縁日で、宿は混んで居たんだって。
女性
どうされたんですか？
小坊主
又本堂の方へ向いて、先生は、お宿を頼んだんだ。
女性
それで？
小坊主
村木さんが、どうされるのかと思っていると、孟宗藪の中へ入って行かれたんだって。
女性
えぇ～..本日は孟宗藪でお泊りですか？
小坊主
そういうことだね。
小坊主
泉先生はブンブンいぅて居る蚊などお気に障らんのか、
泉先生
「あぁここは静かだ。休みましょう。」
小坊主
と言われたんだ。
小坊主
そして、村木さんも止むなく横になったんだって。
女性
で？どうなったんですか？
小坊主
それが、泉先生パワーで、蚊は居るが、不思議に止まらないんだって！
小坊主
お二人共、ぐっすり寝込んで、東の空がしらむ頃、目が覚めたというんだ。
泉先生
「蚊に噛まれんで、ありがたかった。」
小坊主
と、先生は立ち上がられ、お社の方へ向いて、お礼をされ、
小坊主
帰り道につこうと、藪を出た時、その藪の方へ向いて、ねんごろに合掌された。
小坊主
と村木さんは言っていたよ。
小坊主
今回のお話はここまで。
小坊主
では、次もお楽しみに～
合掌
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津の峰まいり。お祭りの夜更けにはまいるな
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