このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎先生と聖天様のお話です。
小坊主
前回は素肌をあらわにされて「これでは、もう生きられん。」というお話だったけど覚えてる?
泉先生遂に山へ⑥
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
女性
もちろん!本日のお話は?
小坊主
泉先生遂に山へ⑦のお話!
泉先生遂に山へ
いきなり私の手を握って御遺言
小坊主
前回のお話で、駆けつけた皆の前でお召し物を脱がれて、痩せた姿をお見せになり、これでは生きられんと先生は仰ったというお話があったよね。
女性
そうでした。
小坊主
今回はその続き。
小坊主
傍らに居たおそのさんは、オロオロしながら、お召し物をお着せすると、
小坊主
先生は、いきなり村木さんの手を握られたんだ。そして、
泉先生
「よう来てくれた。村木さんよ。」
泉先生
「あなたが来るのはいつも、その都度、前もってわかって居たが、今度はわからなんだ。」
泉先生
「かねがね言って居った様に、愈々、山へ入る時が来た。」
泉先生
「今から3年も経つと、あなたは、神前へお供えする物を造る様になる。」
泉先生
「又、30年程も経つと世界中に血の雨が降る。」
泉先生
「その頃、天から降ったか、地から湧いたか、と思わせる程の宝があなたに授けられる。」
泉先生
「私は、その時、千石船の帆柱の上で、日の丸の扇子で喜んで指揮を取り手伝いますぞ!」
泉先生
「そうなったら頃を見計らって、私の衣替えをしてくださいよ。」
泉先生
「私は、野中の一本木の様な気持ちになって、三畳敷から眺め、皆さんにお目にかかりたい。」
小坊主
と話されたんだ。
小坊主
話し終えられてから、先生は村木さんの手を、やっと、はなされた。
小坊主
村木さん達は、感極まって、涙をのんで居た。というんだ。
小坊主
村木さんはその時のことを、
村木さん
先生に握られた手はしびれる程であった。
村木さん
その気力の入って居った事、驚くばかり。
村木さん
今もしっかりとこの手に先生のお脉を感ずる。
小坊主
と話されているんだ。
小坊主
そして駆けつけた者達は、此の上の長居は、きっとおさわりになると思ったから、さよならを申し上げたんだ。
小坊主
すると、先生は、涙ぐまれた。らしい。
小坊主
そして、
泉先生
「あぁ、もうこれで安心した。うれしい。」
小坊主
ともらされた。
女性
あぁ…悲しい…。
小坊主
村木さん達は、耐え難き思いで、津田をたったんだって。
御最後。村木さんよ。死んでも生きても、天地は我が家じゃ
小坊主
諸行は全く無常である。
小坊主
その翌日、先生はご他界になった。というんだ。
女性
とうとう山へ入られたんですね。
小坊主
そう。時に、大正7年11月9日、午前5時。
小坊主
村木さんは、こう話されている。
村木さん
かねて先生は、
泉先生
「長生きも考えたが、どうせ1度死ぬ以上、よい潮時を見て、死に殻を親しい者にも見せておいて、それから、思い切り人助けがしたいものじゃ。」
泉先生
「村木さんよ。死んでも生きても天地は我が家じゃ。」
村木さん
と言われたことがあった。
小坊主
と話されているんだ。
女性
本当に悲しいですね。
小坊主
御遺言で、何やら未来のことを沢山話されているので、そのお話は次回で!
小坊主
今回のお話はここまで。
小坊主
では、次もお楽しみに~
合掌
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泉先生遂に山へ⑥
このお話は、村木 幸次郎さんが泉庄太郎先生の伝記をまとめられた『泉聖天尊』より 抜粋引用した泉庄太郎...
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