聖天様の寺院へ参拝された時、ご自宅にお祀りする聖天様のお札に毎日朝夕の拝礼をされる時は、蝋燭に火を灯し、お線香を御供されると存じます。
お線香には様々な種類があり、好みもバラバラと存じますが、そもそもの意味として、なぜ聖天様へお線香を御供するのか、またお線香を御供する意味と選ぶポイントは、どのあたりにあるのか、皆様と一緒に考えてみたいと思います。
聖天様にお線香を御供する理由
聖天様を参拝に行かれた時に、お気付きになるかと思いますが、基本的に鳥居が存在します。
鳥居があることから聖天様のいらっしゃるのは寺院じゃなく神社だと思われる人も多いです。
その一方で、神社にしては蝋燭やお線香が御供されていることから、ここは寺院なのか神社なのかと、迷われる人も多いようです。
また、聖天様のお札は神棚に祀るが故に、蝋燭やお線香は不要と考える人が多く居るようですが、それは間違いです。
聖天様は仏教の神様(天部の佛様)です。
仏教であるが故に、聖天様がいらっしゃるのは、神社にあらず寺院なのです。
神様であるが故に、寺院でも鳥居が存在し、ご自宅では神棚に祀るも、蝋燭やお線香を御供するのです。
もし、ご自宅に聖天様のお札を祀るも、神様に不要と思い蝋燭やお線香を御供していなかったという人が居ましたら、ぜひ蝋燭・お線香も、御供して下さい。
聖天様は仏教の神様(天部の佛様)、これが聖天様にお線香を御供する理由です。
聖天様にお線香を御供する意味と選ぶポイント
お線香の目的は「香煙」です。
香煙とは、お香をたく煙を意味しますが、その香りとの意味も含まれて御座います。
つまり、聖天様へお線香を御供するにあたり、選ぶポイントとなるのは、「香りと煙」です。
先ずは、香りの良いお線香を選ぶことが、聖天様へ御供するお線香を選ぶ、重要なポイントになります。
では、何をもって良い香りとするのか、私は甘い白檀系の香りを好むが故に推奨していますが、それぞれが良いと思える好きな香りを選べば良いと存じます。
次に煙です。
最近は、「煙の少ないお線香」という商品が人気のようです。
しかし私は煙の少ないお線香は使用しません。
個人的な好みの問題も御座いますが、お線香の煙にも次のような意味があります。
煙が出ないお線香に意味は無いと言っても、決して過言では御座いません。
先ず大切な意味として、香りや煙で自らの身を清めるということです。
次に、お線香に火をつければ煙が出ますが、その煙が天に向かって舞い上がり、やがて人間の視界から消えますが、これは煙が消えたのではなく、人間の眼には見えないものの、その煙は天にまで届くとの意味が御座います。
天に届くということは、聖天様に届くという意味です。
お線香の煙が天におられる聖天様に届き繋がるということは、その天まで伸びたお線香の煙に願いを乗せることで、聖天様へ願いが届くという意味になります。
そんなことから、「お線香は香りより煙の量の方が大切」と説く僧侶もいます。
そのような意味があるということもあり、聖天様へ御供するお線香を選ばれる時は、先ずは香りを重視し、次に煙の量を重視されたら良いと存じます。
但し、香りは好きな香りを選ぶことで何ら問題は無いと存じますが、煙に関しては身体的など支障が生じる場合は、煙の少ないお線香でも全く問題は御座いませんので、お身体の健康など第一優先に考えて選ぶようにして下さい。
合掌
皆様からのコメントお待ちしております。
一つ誤解の無い様に補足をさせて戴きます。
確かに香に関しては、我々僧侶の間でも同様の理由から微煙タイプは、敬遠致しますが其処に関しては、限度が有り抑も主に屋外用の線香(墓前香、護摩香)と佛前香等の線香では、種類が違い屋外用の安価な御線香は、主に火付き、火持ちに重点が置かれ杉粉や椨粉のみで形成されて居り香木は、入って居りません。
故に火付きも良く煙も多い事と安価な事から大量に焚かれる事の多い墓前や屋外参道、線香護摩にて用いますが屋内利用では、読経中、喉に刺さる為お勧めは、致しません
又室内用の線香は、椨粉に香木や漢薬等を配合して居る為、薫り香と呼ばれます。
其の為、先の護摩線香に比べ煙も少ないですが調香次第で薫りも変わりますし煙の量も差異が御座います。
聖パパ様のお話しで出て居る御線香は、あくまで薫り香に付いての内容で御座いますから先ずは、良い薫りで質の良い香を少量でも良いので心を込めて焚かれる事が肝要で煙が多いからと安価な御線香を大量に焚くのは、本末転倒に御座いますから基本的には、多少高価でも良質の香をお買い求めに成り心を込めて焚かれる事をお薦め致します。
天祥 九拝
瑞鳳天祥様
有り難き補足に喜び感謝を致します。
読者様におかれましては、瑞鳳天祥様の補足通りで御座いますので誤解の無いよう願います。
残暑厳しい折ですが、瑞鳳天祥様及び読者様の、ご健勝とご多幸を心から祈念しております。
九拝