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祇園精舎の鐘の聲

雲の上の山(瑞鳳天祥様)
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読者投稿:瑞鳳天祥様

祇園精舎の鐘の聲諸行無常の響き有り・・・。

此れは、平家物語の冒頭で御座いますが学校の授業で触れた事の有る文章かと存じます。

さて今日は、その一節を基にお話致しましょう

著しとしては、

「祇園精舎の鐘の聲諸行無常の響きあり」

祇園精舎(お釈迦様が説法を行った寺院の名称)

鐘の声は、(梵鐘の音色は、遠くまで響く事から佛様の声と喩えられて居ります。)諸行無常(全てのものは、時と共に変化し其の象を留める事は無い)と申して居ります。

「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」

沙羅双樹(一本の根から一双の幹を持つ沙羅の樹)は、お釈迦樣の入滅に際して其の白い花を一斉に咲かせ其の花弁を散らし生者必滅、盛者必衰(生まれたならば必ずや死が訪れ又、如何に栄えるも無常の理により衰退する)の道理を示す

因みに此の沙羅双樹の縁起で現在も死者の枕飾りには、紙華[しけ]と申します飾りを必ず御供致します。

「奢れる者も久しからず唯春の世の夢の如し」

(如何に栄華を極め驕り昂るも春の夜に見る幻想の如くに儚く消え往く)

「猛き者もつひにはほろびぬ一重に風の前の塵に同じ」

(如何に勇ましくも何れは、消え往く露命ならば一陣の刀風の前の塵に等しい)

此の刀風とは、所謂死を意味致しまして末期の刻は、一陣の風が吹くが如くに突然訪れ其の風は、刀の如く命と謂う糸を簡単に切ってしまう意味より刀風と申します。

以上が冒頭部分の解説で御座いますが冒頭の四節は、世の厭世観と無常観が有りますね

無常観は、和の根底の侘び寂びに通じ日本人の心情で御座います。

謂わば滅びの美学と申しましょうか儚いからこそ美しく其の一瞬の変化に世の時間の流れと美しさを見出だす訳で御座います。

話を戻しますが冒頭の四節は、彼の有名ないろは歌と同じ意味を持ちまして

此の四節の根底には【諸行無常、是生滅法、生滅滅已、寂滅為樂】の雪山偈の内容が織り込まれて詠まれて居ます。

この雪山偈で有りますが以下の意味が御座います。

【諸行無常(しょぎょうむじょう)】刻は、常に流れ留める事無く生有る者は、必ず終焉を迎える

【是生滅法(ぜしょうめっぽう)】是は、世の絶対の理で有り生死の法で有る

【生滅滅已(しょうめつめつい)】今、其の刻を迎え生滅の刻は、已った(おわった)故に応に生死を越えた彼岸へ渡るべき刻なのだ

【寂滅為樂(じゃくめついらく)】後は、全ての執着を離れ則ち涅槃と心得静かにその時を迎えるがよいと成ります。

では、生きる意味は?無常とは?何故に生まれ何故に死を迎えるのかと疑問を覚えるかもしれませんがその中には、限り有る命だからこそ刹那を大切に生き最期には、心静に迎えなさいと云う意味で御座います。

故に今と謂う刹那の時を憎しみや哀しみ又、暴力や中傷等、徒らに使うのでは、無く他の為、又自分の成長の為、又、愛を育む為に愛情と真心を以て他者と接し生きる事が肝要なので御座います。

お釈迦様は、涅槃に入られる際、弟子の最後の質問に次の言葉を仰せられました。

師よ貴方が亡き後、我々は、如何に生きれば良いでしょうか?

弟子達よ人の価値とは、生まれや環境、名誉、地位などと言ったものに左右されるものでは、無く如何に生き何を信じて何を行ったかに因って決まる故に我が亡き後は、自身を心の灯明とし法を灯明とせよ…。

故に必要なのは、無情感では、無く無常観で有りますから他と自分を比較したり非難や中傷する事は、避けるべきで有りますし譬え憂き目の時でも悲観せずに出来る事を精一杯すれば宜しゅう御座います。

何故なら人の価値は、人の狭い了見が造り出した地位や名誉、財産や生まれで決まるのでは、無く何を信じ何を行い、如何に生きたかに依って決まる訳ですから自分の価値を決定するのは、応に終焉を迎える時に心静かに後悔せず笑顔で迎えるのが肝要で御座います。

有る名言に斯様な言葉が御座います。

人は、歓喜の声の中泣きながら生まれ人々の嘆き哀しみの声の中微笑みながら世を去る

応に的を射た言葉で御座いまして本当に刹那を大切に生きて来たならば如何なる最後の時も微笑みのながら世を去る事が出来ます。

ですから刹那を大切にする事に依り未来は、明るく成りますし辛い事も刹那と思えば辛抱出来る訳で御座います。

因みに辛抱の言葉に似た言葉に【我慢】が御座いますが此の言葉は、【我、慢心の故に其の心を諌める】と申します増長慢を諌める言葉で御座います。

逆に【辛抱】とは、六波羅密の一つ【忍辱(にんにく)】[苦難を耐え忍ぶ]を意味で用いて居りますが則ち辛きを抱えるも智恵を以て其の刻を耐える意味で御座います。

世の中と申しますは、禍福は、糾える縄の如く様々御座いますが刹那を大切に心の灯明を消さぬ様精進を重ねたいもので御座います。

天祥 九拝

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法話

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